三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 感想

http://34.gaga.ne.jp/
三銃士の吹替3D版を家族で見てきました。

感想

名作三銃士を、バイオハザードの監督が新たな解釈を入れてアレンジ。ダヴィンチが設計した飛行船という要素が加わって、決闘シーン+空戦シーンという見せ場の増大が図られた様子。古典だから、アレンジは構わないと思うけど、当のフランスの人はどう思うんでしょうかね。娯楽作品としては楽しめました。が、あんまり3Dの効用はないです。2Dで十分な作品。
さて本編ですが、一番の見所は決闘でも空戦でもなくて、ミラ・ジョヴォヴィッチが、あなただけ違う映画出てんじゃないですか?ってくらいのアクションしてたところ。まるでバイオハザード…と言いたい所ですが、動き的には完全にミッション・インポッシブルと言わざるをえないです(笑)美人で動ける女優ってなると人選も限られてくるんでしょうが、 ミラのために用意したとしか思えない役でしたね。

吹替

吹替ということで声優にもふれておきましょう。ダルタニアンは溝端淳平ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるミレディは檀れい。二人とも洋画の吹替は初挑戦で、地味に推しどころだと思うのですが、映画館ではあまり紹介されてる感じはなかったです。ただ、パンフレットのキャラクター紹介では、ほぼこの二人しか紹介されてませんでしたが(笑) 演技的には違和感なく、キャラクターのイメージにも比較的合っていました。
アトス・ポルトス・アラミスの三銃士は、それぞれ東地宏樹、立木冬彦、津田健次郎が担当しており盤石の布陣。バッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)は中村悠一。他の吹替も安心して聞けます。
吹替の3Dは、字幕がないぶん比較的見やすかったです。ただ、3DがXPAND方式なので、3Dメガネが相変わらず違和感ありすぎる。メガネっ子にはあのクソ重い3Dメガネはどうにも合わないな。もっと軽いのを開発希望します。

カウボーイ&エイリアン 感想

http://www.cowboy-alien.jp/
猿の惑星:創世記」や「ミッション:8ミニッツ」など大作・話題作が目白押しな中、私が11月の映画の日に選んだ作品は「カウボーイ&エイリアン」でした。
タイトルからして、間違いなくB級映画臭ぷんぷんな作品。原題も「Cowboys & Aliens」なので、とにかくカウボーイとエイリアンを戦わせたかったのでしょうな。どんなツッコミどころが満載なのか、とか思いながら、仕事帰りに映画館に向かいました。


で、見たわけですが、意外にかなりおもしろかったです。
舞台設定は19世紀のアメリカ・アリゾナ。まさにゴールドラッシュの時代なのですが、金自体を物語の重要なキーワードとするのは、エイリアンが攻めてくる理由付けとしてまあまあもっともらしいと言えましょう。
主役級は、ダニエル・クレイグハリソン・フォードのツートップによる競演、とにかくこの二人が格好いい。銃捌きも堂に入ってるし、台詞ひとつひとつがシビれます。こういう作品はそのまま作ってしまうとB級どころかC級になってしまうので、キャストでカバーと言った所でしょうか。そのもくろみは成功と言えます。女優では、オリヴィア・ワイルドが神秘的な魅力を放つ女性エラを好演。全体としてキャスティングはかなりマッチしていると言えましょう。
ただツッコミどころがないわけではないです。一番は、そもそもの戦力差が大きいのは違和感を禁じ得ない。エイリアンとカウボーイ・アッパチ連合軍の直接対決では、さすがにエイリアンの図体・攻撃力に対して、戦力が貧弱すぎる。なのにほぼ互角に戦ってるのは、さすがにツッコミを入れざるを得ませんでした。カウボーイのリボルバー銃(ピースメーカー)とか、お手製の弓や槍で、身の丈2倍はあるエイリアンをぶち殺すとか、どんだけやねん。
コンセプト自体が奇をてらったものであるため、B級映画の範疇を出ないではありませんが、その中でもよく作られた映画だと思いました。まあレンタル屋で借りてもいいっちゃあいい気はしますけど。

スイートプリキュア とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ 感想

http://www.toei-anim.co.jp/movie/2011_suite_precure/
スイートプリキュアの劇場版が公開されたので、早速見に行ってきました。

前説

上映前にいつもの前説が開始されます。すなわち、入場者プレゼント「ミラクルライトーン」の諸注意説明でございます。 当然ながらこのミラクルライトーン、中学生以下のお子様しかもらえません。ハミィが一通り諸注意を説明した後、正座して半眼で「ライト持ってない人は 心の中で応援してね」とか宣ってくれます。なんかものすごくムカつきます(笑)
ちなみに、ミラクルライトーンのようなお子様向け配布品は映画館によって対応が違ったりするのですが、プリキュアの映画の場合は一貫しています。過去作品もいくつかプリキュアは見に行ってますが、どの映画館でも一度たりとももらえたことはありません。お子様連れてかないとだめなんでしょうなあ。

あらすじ

父親のメフィストが正気に戻ったので、メイジャーランドに戻ることになったアコ。そこに謎のハウリング音が響き、街から音楽が失われてしまった。心配した響達は、アコ・メフィストと共にメイジャーランドへ行くことに。そこで彼女らが見たのは、音楽が失われ、荒れ果てたメイジャーランドだった!

ストーリー感想

舞台設定は、公開日の前の週のテレビ放映回の直後。キュアミューズの正体がアコであると分かった所から始まります。テレビ放映に合わせてくるというのは手法としてはベタですが、リアルタイム感が味わえて良いですな。
キュアミューズが加わったので、さぞアコ無双なストーリーなんだろうなと思っていたら、案外そうでもなく、むしろ覆面姿から一気に弱体化した感が。キュアメロディがクレッシェンドキュアメロディへと進化して敵を圧倒する、というストーリーは結構意外でした。全体的には、新たなプリキュアキュアミューズのキャラ掘り下げとしてはありじゃないかな、という印象。私はミューズ推しじゃないのでそんなにテンション上がることもなかったのですが、ミューズ好きの人にはかなり楽しめるのではないでしょうか。

キャラクター

プリキュア登場と言うことで、当然ながら、メフィストとアコの父娘の関係が重点的に描かれていました。しかし、のっけからメフィストいきなり不審者扱いとは(笑) 序盤にメフィストが今までのお礼も兼ねて、アコを人間界まで迎えに来るのですが、窓から家に入ろうとするんですけどね。敵だったときからみんな分かっていたことですが、やはり明らかにメフィストよりアコの方がしっかりしています。頼りないお父さんとしっかり者の娘という関係ですね。


また、エレンがかなりネタキャラしております。例えば、エレンはなぜアコに気づかなかったのかと問われると、 「メガネしてなくて生意気な小娘」だったので、まさか姫だとは思わなかったのだそう。地味にひどいこと言ってるな(笑) 更に響達とメイジャーランドに行く際には、なぜか時代劇の旅の女みたいな格好してるし。「音吉さんの本で勉強した」とか言ってますが、明らかにおかしい。いい感じにキャラが立ってきたので、このまま頑張って欲しいですね。

エンディング

エンディングはテレビと同じ「♯キボウレインボウ♯」です。しかし映像は初公開の4人ダンスバージョン。しかも、エンディング前に館内照明がつき、ハミィが「ダンス可能」とかぬかしやがる。なんという演出。当然曲が流れ出すと子どもたちは踊り始めます。しかも結構踊れてる子が多いのにビックリ。結構ややこしいぞあのダンス。
そして最後に次回作の予告。3月公開、「プリキュアオールスターズが新しく生まれ変わります!」さて、どんな作品が出てくるのでしょうか。今から楽しみです。

ドラゴンクエスト展に行ってきた

http://www.dq25ten.jp/
仕事帰りに、六本木ヒルズでやってるドラゴンクエスト展に行ってきました。ドラゴンクエスト誕生から25周年を記念した展覧会ということらしいです。
ヒルズのどこでやっているかというと、52階にある森アーツセンターギャラリー。森美術館の横のギャラリーです。場所柄、天空への塔をイメージした立地選択なのでしょう。
料金はなぜか森美術館とセットで1800円。ちょっと高い。ちなみに、せっかくだから森美術館でやってる「メタボリズムの未来都市展」も見ようと思ったのですが、さすがに仕事帰りでは時間が足りず断念しました。

いざ冒険の旅へ


ギャラリーへの入口では、身の丈を遥かに超えるスライムタワーが鎮座していて、出迎えてくれました。いきなりドラクエの世界に引き込まれてしまいます。


チケットを購入してエレベーターへ52階まで上がり、会場へ入ると、まず職業選択から始まります。戦士・武闘家・魔法使い・僧侶の中から1つの職業を選択することができ、選んだ職業に応じた「冒険の書」を渡されます。何だか本格的です。今回私は武闘家を選びました。緑色の冒険の書が与えられ、いざ冒険の旅へ出発。展示物を見ながら、冒険の書に隠された謎を解き明かしていくというアドベンチャー形式になっています。


まずは第1のフロア。歴代シリーズのプレイ画面が壁面いっぱいに敷き詰められています。プレイ画面壁画の中に、鳥山明氏によるパッケージイラストの原画が展示されていました。さらに、そこここに巨大なモンスターの立体物が。コイツらだけは写真撮影可能の文字があったので、迷わず写真を撮っておきました。

歴代シリーズ壁画の森を抜けると、第2フロア、竜王の城。ここでは竜王と対決できるようです。代表者として選ばれた各職業の4人に、竜王を倒すための武器が配られました。戦士は光の剣、武闘家にはドラゴンクロー、魔法使いはいかずちの杖、僧侶には閃光の杖・・・って僧侶だけ別格に強い武器なんですけど!*1
正面の巨大スクリーンに竜王が現れ、ナビゲーターの遊び人っぽい人が「ここでホイミです!」とかアシストしてくれます。というか映像に合わせて攻撃するだけですけど(笑) しかし実際に攻撃音が鳴って、竜王にダメージを与えるのが感じられるのは良い。戦ってるなという実感を得られます。竜王の通常形態と最終形態の2形態を倒して、無事平和を取り戻すことができました。

第3フロアは、歴史と当時の製作を振り返るコーナー。鳥山明による モンスター原画や、堀井雄二による当時の製作資料が展示されています。
具体例を挙げると、1作目の最初の街、ラダトームのマップが方眼紙とトレーシングペーパーを使って丁寧に描かれていました。今なら間違いなくPC上で作るところ、時代を感じます。積み上げた資料の山もあって、どうやらVIIまでは同じ製作方法だったみたいです。どうりでVIIは製作にあんなに時間がかかったわけだ。
堀井雄二によるキャラクターやモンスターのラフ画も展示されていましたが、これがまた下手すぎるwww スライムなど、ただのゲル状の物体です。これをあの可愛らしいタマネギスタイルに昇華させた鳥山明の才能には脱帽せざるを得ませんでした。
他にも、すぎやまこういちの音楽コーナーや、各種販促物・ポスターの展示などもあって、ゲーム史に残る傑作の歴史を知ることができるフロアでした。


そして、満を持して控えるのが、最新作ドラゴンクエストXのPV展示。スクエニ的には目玉だったのかもしれませんが、人が少なかったせいもあって、足を止めている人はいませんでした。訴求力ないなあ…。


展示フロアの最後には、謎解きコーナーがあります。冒険の書で解いた数々の謎をもって、最後の合言葉を当てるわけです。私は無事正解し、勇者のバッジをもらうことができました。

ルイーダの酒場

一通りドラゴンクエスト展を楽しんだ後は、ルイーダの酒場で休憩。近くのパセラで同様のコンセプトで営業しているのですが、その出張店舗という位置づけのようです。

注文したのはパルプンテウォッカとスライム肉まん。カクテルはレッドブルとウォッカで作ったらしく、パルプンテというよかバイキルトという印象。 仕事上がりで空きっ腹で飲んだせいか、1杯ですがかなり酔いが回ってしまいました。スライム肉まんは、味はまあ普通でしたね。このルイーダの酒場、メニューが全部ドラクエに関係してて楽しいのですが、全体的にお値段高めなので、ちょっと敷居があるかもしれません。

まとめ

25周年記念ということで開催された本展ですが、謎解きのような体験型の展示会というスタイルはドラクエにピッタリですし、発売当時を生きた世代なら、胸が熱くなること間違いなしでしょう。

*1:閃光の杖は、IXに登場する、高レベルの宝の地図ダンジョンでしか手に入らない最強系列の杖。

「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」感想

http://www.captain-america.jp/
マーベルコミック、いわゆるアメコミの映画化。名前の通り、アメリカの国旗をイメージしたデザインのヒーロー。本当は「はやぶさ」を見ようかなと思っていたのですが、あいにく時間が合わなかった所で、映画好きの人からすすめられたので見てきました。

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根津美術館 名物刀剣展 感想

表参道にある根津美術館で、「名物刀剣展」を見てきました。行くかどうか若干迷ったのですが、今日が最終日ということもあったので、重い腰を上げて行ってきました。
日本刀には「名物」と呼ばれる、別名・異名を付けられた名刀があります。本展では源平の時代から徳川時代の「享保名物帳」に至るまで、諸将に愛されてきた名物刀剣の数々を概観する展覧会です。

感想

このような刀だけを集めた展覧会に行くのは初めてだったのですが、来て良かったと心から思いました。それぞれに由来や伝説のある名物が展示され、歴代の武将が魅了された美しい刀の数々が、私を虜にしてくれました。三日月宗近、獅子王、包丁正宗、石田正宗、義元左文字などなど…まさに名物だらけ。
また、刃文が見やすいような若干明るめの照明になっていて、刀工による作風の違いも感じることができました。正宗、貞宗、吉光、来国光など、見比べることができたのは貴重な体験でした。白熱電球や蛍光灯だとこういう展示は難しいので、LEDさまさまですね。

注目作品

三日月宗近は、確か大学時代に東京国立博物館で見た以来なので、少なくとも5年ぶりくらいのはずです。能「小鍛冶」にも登場した平安時代の名工三条宗近の作で、刀身に三日月状の打ち除け*1がある、天下五剣の一つに数えられる名刀です。久しぶりに出会った宗近は、三日月がやはり神秘的で、とても優美な姿をしていました。
義元左文字は織田信長伝来の刀で、今川義元から信長が奪ったのち、豊臣秀頼から徳川家康に送られた品。しかし江戸大火で損傷してしまったため、再刃(焼き直し)が行われたものです。数奇な運命をたどった
大兼光は三島の佐野美術館所蔵の大太刀。ゆるやかな波のようなカーブを描く「のたれ」の刃文が、大太刀にふさわしくのびやかな様子をたたえています。

雑感

今回のように、ひとつの作品ジャンルに絞った展覧会というのは、見る方にも予備知識が求められる、若干敷居の高い展覧会だとは思いました。しかし、見るべきポイントをいくつか抑えておけば、すごく楽しめます。日本刀なら、刀自体の大きさ、刃の形状や、刃文などでしょうか。刃文や光の反射などは、図録では再現できない部分でもあるので、是非実物を見てもらいたいですね。

空海と密教美術展 感想

東京国立博物館で開催されている、「空海密教美術展」。会期も終了が迫ってきたので、見に行くことにしました。三連休の最終日、会期末期の夕方に行ったのですが、それなりに人は入っていました。入館まで待ち時間10分と言った所でしょうか。

感想

空海密教をテーマにしているだけあって、出品物は当然ながら東寺金剛峯寺のものが多いです。また、書の大家として知られた空海の書跡も追うことができるようになっています。
とは言うものの、出品物に書物が多いと、どうしても人が滞留します。しかも「これが空海の筆跡!」などと煽るもん(ちょっと誇張あり)ですから、人だかりができるのも仕方がない。前半に大量に書物を持ってきていますが、ここでかなりの体力を消耗してしまいました。
次に並ぶのは独鈷杵、五鈷杵、錫杖頭と言った、法具仏具の類。すべてガラスケースに収められているのはいいのですが、四方から見えるタイプのケースなのに何故か壁際に置いてあって前方からしか見えません。置き方がちょっとまずいんではないですかね。
その後に、密教の教えを端的に表した両界曼荼羅が出てきます。私が見たのは金剛峯寺の血曼荼羅曼荼羅には胎蔵界金剛界の二つの曼荼羅があるのですが、それぞれ現実世界と精神世界を表している、などという説明はあまりなく、とりあえず見ておけという感じが否めない。
後半は、仏画・仏像が大量に展示されていました。西大寺十二天画像や神護寺虚空蔵菩薩像、醍醐寺薬師如来・両脇侍像、仁和寺阿弥陀如来・両脇侍像など、普通ならそれぞれ拝観料を取られてもおかしくないレベルの作品が一堂に会するという異常事態。すごいのはすごいのですが、ここまで一回で突っ込んじゃっていいのかなという感じもしました。
最後に控えるのは東寺の仏像曼荼羅の一部の再現したエリア。東寺の講堂には21体の仏像で立体曼荼羅が構成されているが、本展ではそのうち8体を出品して再現しています。通常近くに行って見ることはできないので、8体だけとはいえ四方からじっくりと鑑賞できるのは良かったです。また、段を高くした展望スペースのような所を設け、仏像曼荼羅を一望できるようにしていたのも好感がもてました。

全体を通して

全体を通してみると、国宝・重要文化財が多すぎて、どれから見ればいいのかという感じはしました。無論贅沢な悩みと言えばそれまでなのですが、本来信仰の対象となるべき仏像をこれでもかと並べられると、お腹いっぱいな印象も若干受けます。人もとても多く、非常に混雑していたので、なかなか落ち着いて見れないというのもありましたし…。
また、展示の構成にはちょっと難があったかなとも思います。立体曼荼羅の再現は良かったと思いますが、そのせいで他の展示が圧迫されてしまったのかも知れません。出品されている品々はどれも第一級、というかほとんど全部国宝や重文だっただけに、構成の微妙さがいろいろ気になってしまいました。