キーワードモデレーションシステムによる誤爆回避の有効性

キーワードに関するいろいろな意見の住み分けを図る目的で、キーワードモデレーションシステムが導入された。キーワードモデレーションシステム導入時のはてなのアナウンス(id:hatenadiary:20040607#1086579423)によれば、問題点として以下の2点が挙げられている。

  • 名詞の中には、キーワードとして不適切であると多くのユーザーが考える言葉が含まれる(あまりに一般的な普通名詞など)
  • 名詞以外にもキーワードとして有益な言葉が存在する

これらの問題を解決するためにモデレーションシステムが導入されたことから、その主たる目的は

であり、誤爆回避のためではなかったと考えられる。
ただ、「誤爆」の主な弊害の一つとして「キーワードの自動リンクが邪魔である」と言うことが挙げられる。従ってモデレーションシステムの導入に際し、誤爆問題の解決も1つの目的であったと考えるのは妥当である。
しかし、モデレーションシステムが誤爆を解決する完全な手段かと言うと疑問符がつく。
モデレーションシステムによる自動リンク制御は、キーワードのスコアを用いて行い、またその範囲は日記全体に及ぶ。そのため、あるキーワードAの自動リンクを停止しようとすると、Aよりスコアが低い他のキーワードも自動リンクが停止してしまう。これは「なっち」「さんま」のような比較的スコアの高いキーワードに対しては効果的でないことを示唆する。また、捕捉誤爆に対してはまったく効果がない。
ただ利点も多い。日記の閾値を操作するだけで、スコアの低い多数の誤爆キーワードを排除できることは、ユーザーにとって非常に簡便である。また現在、誤爆を多数誘発するキーワードや、「あまりに一般的なキーワード」はスコアが低く誘導される傾向がある。このことから、誤爆回避に対してある一定の効果はあると言える。
以上のことから、モデレーションシステムは誤爆を完全に解決する方法ではないが、個々のユーザーからのアプローチとしては、誤爆回避の有効な手段であることは確かである。