発表会終了

今年の発表会も無事終了した。ただ、自分自身の出来としてはあまり良くなかった。「これで最後」と銘打ったのに、その割にはかなり不満の残る結果だった。
私のやった曲は五番目物だったために、一つの仕舞パートのとしては順番が3番目になる。*1従って、舞台に上がってから演じるまでに少し時間がある。その間にテンションを上げるわけだが、今回はその気合いが上がりすぎて空回りしてしまった感が強い。もう少し地謡と合わせる回数を増やしておけばと悔やまれるが仕方がない。他にも、足拍子がずれたり、舞っている間に迷いを感じたり、反省点を上げればきりがない。そんな中でも、拙い舞を支えてくれた地謡の皆さんには非常に感謝している。
ただ観客の方々のアンケートを読むと、ちらほら私の舞が良かったという意見があった。自分の中では出来が悪くても、見て下さった人は喜んで下さったのだな、と思うと、少し気が楽になった。あれはあれで多分良かったのだろう。私の集大成としても、ある意味私らしい舞だったと思う。
今回は、私を含めて修士二回生の部員にとっては最後の出演だった。6年このサークルを引っ張ってきた(と自負している)我々が去るのは、サークルにとっては一つの時代の終わりが来たように思える。だが、サークルが新たな次元へ行くためには必要なことだった。サークルの発展のために、私はどれだけの貢献をできたのだろうか。
会が終わった瞬間は、ただもう寂寥感があるだけだった。長いお祭り騒ぎはもう終わってしまったのだ。当たり前のように部室に来て、当たり前のように稽古をして、当たり前のように発表会に出演することはもうない。ただ後から、一つのことをやりきったという達成感(とは言えないのだが、ある種それに似たもの)が生まれてきた。できるならば、これからもずっと能は続けていきたい。

*1:一般人のために解説しておくと、能の仕舞は本式の場合は2〜3曲を一つのパートとして、同じ地謡(コーラス)で行う。五番立の順番で舞うので、五番目物を選んだ私は必然的に一番最後に舞うことになるのだ。