「惑星」の厳密な定義がついに決まるか

http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000230.html
国際天文学連合の総会が一昨日から始まっています。今回の主要な議題は「惑星の定義」。
新聞などでは「惑星が9個から12個に」などというセンセーショナルな見出しが書かれてたので、おいおいどういうことだよ、と思ったのですが、国立天文台の記事によると、どうもそう単純なことではないようです。以下、国立天文台の記事から引用。

(1) 惑星とは、(a)十分な質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡(ほとんど球状)の形を持ち、(b)恒星の周りを回る天体で、恒星でも、また衛星でもないものとする。

(2) 黄道面上で、ほぼ円軌道を持つ、1900年以前に発見された8つの Classical Planetsと、それ以外の太陽系の天体を区別する。後者は、すべて水星より小さい。また、セレスは(1)の定義から惑星であるが、歴史的理由により、他の Classical Planets と区別するため、 Dwarf Planet と呼ぶことを推奨する。

(3) 冥王星や、最近発見されたひとつまたは複数のトランス・ネプチュニアン天体は、(1)の定義から、惑星である。Classical Planets と対比して、これらは典型的に大きく傾いた軌道傾斜と歪んだ楕円軌道を持ち、軌道周期は200年を超えている。われわれは、冥王星が典型例となる、これらの天体群を、新らしいカテゴリーとして、Plutons と呼ぶ。

(4) 太陽をまわる他のすべての天体は、まとめて Small Solar System Bodies と呼ぶこととする。

要するに、「惑星」と言う言葉は大きな分類として残し、その中でさらに以下の3つに分類しようという計画のようです。

むりやり訳すと「古典惑星」「矮惑星」「冥王星型惑星*1」みたいな感じですかねえ。
これまで惑星の定義は「太陽を周り、ある程度の大きさを持ち、軌道を占有している天体」というかなり曖昧なものだったのですが、今回の提案は厳密な定義でなかなか良さそうです。ただ、これだとどんどん惑星が増えていく可能性があるんですよね*2。さてすんなり決まるかどうか。
あと、これに決まると惑星の語呂合わせがものすごく気持ち悪くなるな。「水金地火木土天海冥」から「水金地火セ木土天海(冥カ)[2003UB313の正式名]」ですか*3。覚えにくいことこの上ないぞ。

*1:最初「冥王星族惑星」がいいかな、と思ったが、既に「Plutino」の日本語名称に使われてたのでやめた。

*2:既に12個の天体が候補としてあげられている。http://www.iau2006.org/mirror/www.iau.org/iau0601/iau0601c.html

*3:冥王星カロンは二重惑星なので括弧でくくった。