ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
大阪のシネ・リーブル梅田で見てきました。公開二日目ということもあり、まだまだ人が多く、立ち見となりました。
で、感想ですが…「庵野、遂に本気出しやがったな」という感じ。間違いなく100点満点で100点。凄すぎる。
以下超ネタバレ
総論
話の筋としては、基本的に、テレビ版の第壱話「使徒、襲来」から第六話「決戦、第3新東京市」までを丁寧に作り直したのだが、そのクオリティが半端じゃない。
テレビ版と全く同じ構図で作り直すという、ある意味めちゃくちゃ贅沢なことをかなりのシーンに渡って行っており、現在では一般的となったCGもガンガン使って、新しいエヴァを作り上げている。12年前、リアルタイムではまった世代の私としては、全編鳥肌立ちまくりだった。
使徒の描写
使徒の描写が、今回の映画での特徴を形づける興味深い例だと思う。サキエルがセルアニメ、シャムシエルがCGセルシェード、ラミエルがフルCGと、三種三様の形式をもって表現している。
圧巻なのはラミエルで、その体に映り込む空や森、ジオフロントへ穿孔する先端部の描写、反撃の際の幾何学的変形、どれをとってもフルCGでなければ表現できなかっただろう。ヤシマ作戦だけでも、この映画を見る価値があるというものだ。
ストーリーの差異
ストーリーはテレビ版の焼き直しだと言ったが、色々な所が一部異なっている。最も印象的なのは、シンジの周りの人々が、少しだけシンジを積極的に導こうとしていることだ。それにより、ヤシマ作戦でのシンジの行動が少しだけ変わっている。ミサトとシンジが手をしっかり握っているシーンは、監督が、今作が旧作とは全く違う結果になるということを伝えたがっている様な気がした。
今後のストーリーに影響しそうな所も、少しずつ旧作から変更されているようだ。使徒の番号が一つずつ異なっていたり*1、リリスの存在をミサトが知っていて「第2使徒」と明言していたり、リリスの仮面がサキエルの顔みたいになっていたり、ゲンドウが「(ラミエルを含め)使徒はあと8体倒さねばならない」と言っていたり、シンジが逃げ出すことがゲンドウの計画の一部であることを示唆する場面があったり…。まあ、最も驚いたのは、次回予告だったが。
まとめ
まとめると、四部作の第1作目としては、十分すぎるくらいの完成度を持った作品でした。惜しむらくは、上映館数が若干少ない所。前の時と比べてスポンサーも少ないようだし、仕方ない所かもしれない。しかし、当時エヴァにはまった人、エヴァに興味のある人は、四の五の言わずにとにかく劇場で是非見て欲しいと思う。
最後に、唯一気になるのは、これを初めて見た人はどう思うのかな、ということ。12年前の体験を持たない人々は、当然私と違う感想を抱くはずなのだが、好意的印象は持ってもらえただろうか。