高速道路無料化について馬淵議員が説明していた

昨日の報ステと今日のとくダネ!で、民主党の高速道路無料化政策を主に担当している馬淵澄夫議員が出演していた。
高速道路無料化は今のところ世論の支持が低くて、朝日新聞の世論調査だと高速道路無料化に賛成の人はわずか20%だった*1。少なくとも国民にとっては優先度が低い政策であるということが見て取れるのだが、それを払拭すべく、2番組に渡って馬淵氏が説明しに出てきたようだ。
いろいろ説明していたが、大きな論点としては4点。

  • 渋滞対策
  • 公共交通機関への対応
  • 環境への影響
  • 財源

渋滞対策については、現在渋滞が発生していない地方については即座に無料化を開始するが、渋滞が見込まれる地域については、社会実験を行い、影響を見た上で段階的に実施するとのこと。場合によっては、無料化しないで料金抵抗を残す区間もあり得るらしい。
公共交通機関に対しては、フェリーや鉄道産業に対する影響がかなり大きいと見込まれるが、土日1000円の時は集中していたのでその影響がモロに出ていたが、毎日無料と言うことになれば逆にそれほど大きな影響はないのではないかと言っていた。
環境への影響については、交通量増加によりCO2排出量の増加が懸念されているが、これに対しては、CO2国交省の試算によるとむしろ高速道路無料化によりCO2の削減効果が見込まれる、と主張していた。
最後に、財源については、受益者負担の原則を転換するのかと他の出演者から問い詰められていたが、馬淵氏によると、「実は高速建設のために次々と税金が投入されているので、もはや受益者負担ではない状態になっている」ということらしい。なので、無料化にすることにより、ムダを省くとのこと。


一つ一つの説明はそれなりに説得力があるのだが、個別論に終始していて、全体としてについてまだまだ説明が足りていないと感じた。どれも結局やってみないと分からないんじゃないのという感じがした。
ただし、社会実験を行って、最終的に料金抵抗を残すことがあるとしたことに対しては評価したい。おそらく自民がやってくれた土日1000円の結果を見て、全部無料化はさすがに非現実的だと思ったのだろう。
また、CO2排出の件など、国交省の試算だけで大丈夫とか言っているが、そんなに甘くないと思う。高速道路無料化だけでは全体として効果がいびつになるのは間違いないので、環境政策や他の経済政策との整合性を考えながら、全体を見通した説明をさらに重ねてほしいと思った。