西国三十三所結縁御開帳巡り:長命寺・岩間寺編

昨年から3年間にわたって繰り広げられている、西国三十三所結縁御開帳。西国三十三所巡礼中興の祖と言われる花山天皇の一千年遠忌にちなんで行われているわけですが、秋の行楽シーズンを迎えて、札所が次々に御開帳しています。まさに開帳ラッシュです。
で、今回は近江国方面の長命寺岩間寺にアタックしてきました。

三十一番札所 姨綺耶山長命寺

名古屋駅で石山までの切符を買い、在来線を乗り継いで、近江八幡駅で途中下車。近江鉄道バス長命寺行きに乗って終点長命寺まで行きます。
ついたら見えるのが御開帳の立て札と、荘厳なたたずまいを見せる石段。石段は808段あり、金刀比羅宮本宮までの段数より多いです。
登り切ると眼前に登場するのが、大きな本堂。山の中腹に建っているにしてはかなりギリギリに創ってるあると思います。
本尊は十一面千手聖観音菩薩三尊一体といって、十一面観音と千手観音と聖観音の三尊ワンセットの本尊です。三尊とも全部重要文化財。今回の開扉は実に61年ぶり、これを逃したら次は見れるかどうか分からないという、まさに秘仏。さっそく内陣に上がらせていただき、三尊の御手に結ばれた綱とつながっている五鈷杵を握ると、ありがたい気分になります。残念ながら、内陣は照明がほとんどない状態で、お寺の係員の方が照らす懐中電灯でやっと見えると言う状態。それでも気品のある顔立ちはうっすらと感じ取ることができました。
脇侍の毘沙門天地蔵菩薩も圧巻。他にも所蔵の仏像がたくさん置いてあって、見応え有りです。
開帳期間は10月31日まで。もう日がありませんが、興味のある方は是非どうぞ。

十二番札所 岩間山正法寺岩間寺

岩間寺は、正式には正法寺というのですが、通称の「岩間寺」の方がよく知られております。岩間山の中腹に位置しており、ここもまた三十三所のうちの難関の一つです*1
岩間寺に行くには、石山駅からバスが出ているのですが、平時は毎月17日の縁日の日にしか運行しておりません。石山駅からは8km(しかも急な坂道)もあるので、徒歩では相当つらいです。普通なら車で行くところなのですが、今回は御開帳中と言うことで、特別に土休日のみ臨時バスが運行していました。
本尊は金銅千手観音立像といって、高さ15cmの金銅仏です。六角堂の本尊と同じくらいの大きさでしょうか。三重の厨子の中に納められており、厳重です。ただ例によって堂内が暗かったため、横に貼ってあった本尊の写真と見比べながらの鑑賞となりました。この本尊は元正天皇の念持仏(普段身につけて拝む仏像)との伝承があるくらいで、小さいながらも作りは丁寧なようです。
岩間寺に来るのは2回目ですが、平時は非常に静かで雰囲気の良い寺です。開帳期間(12月17日まで。来年4月・5月にも予定)は人が多くなってしまいますが、静かな寺を味わいたい人には良いかもしれません。

おまけ

超絶アホ企画、エクストリーム・ラブプラス*2 in 岩間寺

西国巡礼の根底を覆す、無礼きわまりない所業です…。当然のことながら、他の巡礼者の迷惑にならぬよう、少し離れた所にあるテントから撮影させていただきました。
思い切ってやってみたけど…やっぱ普通じゃないよなこのスポーツ(爆)

*1:ちなみに札番通りに行くと、上醍醐寺准胝堂から山越えとなるのでさらに大変

*2:http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0910/07/news087.html