アニメソングの定義の派閥

アニメソングの定義は、非常に多種多様な考え方が存在する。それは個人の主義主張と直結しているとも言える。従ってその全部を網羅することはとても不可能だが、代表的な考え方と思われるものを以下に5つ挙げる。それぞれに特色があるが、一般的な定義を中心として、それよりも範囲を広げるのか、または狭めるのかがポイントとなっている。
なお、各主義の名称は分類のために便宜上命名したもので、一般的な名称ではない。

「アニソン原理主義

「アニソンらしいアニソン」しか認めない、最も厳しい考え方。
アニソン四天王などのアニソン歌手の歌う曲や、渡辺宙明菊池俊輔などアニメソングに古くから関わってきた作曲家が書いた曲のみ認める。タイアップ曲はもちろん論外。さらに作品の主題やイメージにあっていないとされた曲もアニメソングとしては認めない。
結果として、この考え方に適合する曲は、擬音語が多い、必殺技連呼などといった70年代アニソンの特徴を持つ曲が多くなる。
なお、適合する曲の特徴が一致していることから、一部の特撮ソングが含まれる場合がある。

「作品中心主義」

作品を中心としてアニメソングを定義する考え方。
基本的に「ある作品のためだけに作られた曲」をアニメソングとする。また、作品の主題や世界観・イメージが曲に取り入れられているかが重視される。作品の主題などがあまり考慮されない、一般アーティストによるタイアップ曲は認めない。
タイアップ曲をアニメソングとして認めない人は、主としてこの考え方であることが多い。

「基本主義」(一般的な定義)

アニメソングの定義として最も一般的な定義。
主題歌や挿入歌などアニメ作品で使用された曲、アニメ作品のイメージソングをアニメソングとする。タイアップ曲であるかどうかは関係ない。

「拡大主義」

より広義にアニメソングを定義しようとする考え方。
基本主義で認めた、アニメに使われている曲やイメージソングに加えて、特撮ソングやゲームソング、声優ソングなどを含める。
カラオケ機種の曲分類は、この考え方にのっとるものが多い。

「子供向け全般主義」

子供向けに作られた曲全般をも広くアニメソングとして認める考え方。
アニメソングと子供向けソングを同一視する。拡大主義で認めた曲に加え、「ひらけ!ポンキッキ」や「おかあさんといっしょ」などの子供向け番組で使用された曲も含める。場合によっては童謡も含めることがある。