コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN4


コードギアスR2のノベライズ最終巻。
ストーリーの本筋以外を大胆に省略して、本編では語られなかった、キャラクターの心情や内面を掘り下げている。
むろん公式設定に沿ったものであろうが、多少なりとも書き手の思いが入ったのか、ちょっと大げさに表現されている気もした。
マリアンヌは本編でも十分ネジが外れたキャラだったが、本作ではそれに拍車がかかっている。実子までも人体実験に使うとはどんだけやねんな。こんなんが母親だったかと思うと、そらルルーシュも涙を流すわな…。
にしても、ナナリーがここまで激しいキャラになってしまうとは…。アーニャやスザクを罵倒するナナリーを名塚が演じたらどんな風になっていたのだろうか。シュナイゼルが若干びびってる雰囲気の描写もあったりして、こういうナナリーもこれはこれでおもしろい。ただ本編のナナリーを大切にしたい人には、受け入れがたいものがあるかもしれない。「仮面」をかぶっているとはいえ、ほぼ別人だから。
あと、最終回でナナリーが見せた読心術らしきものは、比喩表現かと思っていたが、本当にナナリーの能力だったようだ。確かに本編でもちろちろ見せてはいた*1が、あえて明確には描いていなかったのだろうと思う。これをはっきり見せると、ギアス能力とは別系統の力があることになって、話が複雑になりすぎることを嫌ったのだろうか。
最後の場面では、本編ではルルーシュとナナリーがすれ違ったまま別れを迎えたように思える表現になっていた。しかし本作では、精神世界(おそらくCの世界)での対話を挿入することにより、きっちりと別れの場面を描いた。これに従うのならば、ルルーシュは十分満足した最期を迎えたのだろうと思う。ノベライズにふさわしい、補完の仕方であった。

*1:ローマイヤとかね