劇場版"文学少女" 感想

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Twitterで薦められたので、シネ・リーブル池袋で見てきました。
ライトノベル原作だそうですが、まったく読んだこともなく、完全に予備知識ゼロという状態で見たわけですが、結構楽しめました。

ストーリー

文学や物語が好きで、本のページを食べてしまうほどの"文学少女"、天野遠子。彼女の秘密を知ってしまった井上心葉は、無理やり文学部に入部させられてしまい、彼女のために「おやつ」を書く毎日を送っている。
ある日、ラブレター代筆のために設置した「恋愛相談ポスト」に、一通の手紙が入っているのを発見する。そこに書かれていた謎の絵をめぐって、遠子と心葉は事件にまきこまれていく・・・。

感想

作中では、宮沢賢治の作品を題材として、心葉と美羽の間にあった出来事の謎を解いていきます。ただ謎自体は重要ではなくて、実際には謎解きを通して人間関係を描いていくことが物語の主題といえます。
心葉と幼なじみの美羽が抱えていた過去がかなり重くて、難しいテーマを扱っていたと思います。そのため、鬱な場面もありましたが、見終わった後は、非常に爽やかな気分でした。視聴後に心が洗われたような気持ちになれる作品はなかなかないと思います。
ちなみに、最後の駅での場面はベタどころではないベタさ加減でしたが、その辺はまあご愛敬ということで。

声優の妙

原作を知らない上で見た訳ですが、配役が非常に見事だと思いました。
まず、とにかく遠子がかわいい! 花澤香菜面目躍如といったところ。まさに花澤香奈無双と言わざるを得ません。天然キャラでありながらも、肝心なところではものすごい説得力のある言葉を紡ぎ出す遠子の役柄を見事に演じています。見ていて非常に好感が持てるし、癒されることは間違いないです。
相手役の心葉は、目立たない演技で定評のある(笑)入野自由が担当。芥川役の小野大輔の方が目立っていたくらいです。声質の問題とは思いますが、彼のおかげで遠子がより引き立つという気もしました。
幼なじみの美羽は平野綾。いわゆるヤンデレの娘です。感情の起伏が激しい、難しい役をきちんとこなしていたと思います。平野の若干キンキンした声はヤンデレ向きなのかも知れません。
同級生のななせは水樹奈々。典型的なツンデレちゃんなんですが、いい意味で前に出すぎない演技で、脇役としての存在感を発揮していました。