国立科学博物館「空と宇宙展」感想

http://sora-uchu.jp/
金曜日の夜間開館を利用して、国立科学博物館の「空と宇宙展 -飛べ!100年の夢-」に行ってきました。

実は本当は東京国立博物館のリニューアル記念特別展示を見に行くつもりだったのですが、なんと冬期は夜間開館なし!しかも特別展が開催してないとやらないので、二重に大失敗。ひっそりと門が閉まった東博正門前で愕然としました。
しかし、こんなこともあろうかと、上野周辺の展覧会はチェック済み。いずれ行こうと思っていた国立科学博物館の「空と宇宙展」に行くことにしました。

この展覧会はフラッシュさえ焚かなければ写真撮影がオールOK。と言うわけで写真をいくつか撮ってきましたので、解説と共に紹介したいと思います。

日本の航空科学の進展

戦前からの日本の航空科学の進展を、模型や実物の部品展示などを通して解説しています。
初の動力飛行に使用されたプロペラを実物展示。

日本軍の戦闘機模型の一覧。零戦紫電改といった、歴代の名機が解説されています。戦前の航空技術はかなり高かったのだなと思い知らされました。

霧ヶ峰式鷹7号グライダー(電建号)。戦後、初めてグライダーとして登録されたそうです。会場は天井が高く、実物がつるされています。

国産初の旅客機であるYS-11の模型。YS-11に関しては、風洞実験模型などもあって、かなりのスペースを割いて展示されています。残念ながらすでに定期旅客便からは退役してしまっていますが、現在初のジェット旅客機であるMRJ三菱重工により開発されているので、国産旅客機が再び空を翔ける日も近いかもしれません。

宇宙科学への発展

空と宇宙展のハイライトは、やはり宇宙科学関連の展示でしょう。実はちょうど私が行った日は、IKAROSの研究開発を担当しているJAXAの森治氏が来場するイベントが行われており、来場客からの質問を一生懸命受けていました。
まずは、大成功を収めたはやぶさの実物大模型。本物は大気圏で燃え尽きてしまいましたが、小さい機体で最大限の成果を収めたことに感慨を覚えます。

小惑星イトカワのサンプルを採取するための装置と、地表に落下したサンプル格納装置を回収するときに使用された保護服。

また、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」のセイルの4分の1部分が展示されています。大きさは14mあるのですが、非常に軽量な薄い膜を利用しており、膜だけでは2〜3kgしかないそうです。


将来の宇宙計画の模型も展示されています。月面赤道上に太陽電池のパネルを貼り付けて発電する「ルナリング」計画が紹介されていましたが、どうみてもデススターです(笑)

他にも、各種国産ロケット、残念ながら失敗に終わってしまった金星探査機「あかつき」や、準天頂衛星「みちびき」など、様々な模型が展示されていました。

感想

こじんまりとした特別展ですが、なかなか見応えはあります。模型や実物が多数展示されており、日本の航空・宇宙科学が打ち立ててきた金字塔の数々を、感じることができるでしょう。
ワンフロアの展示ですので、今回の私のように金曜夜で特別展のみ見るのであれば、1時間程度でサクッと見れてしまいます。平常展もあわせてみたいということであれば、休日昼一番から行った方がよいでしょうね。