東京国立博物館 本館リニューアル記念 特別公開

http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=8145
東京国立博物館の本館がリニューアル記念で特別公開していると聞いて、行ってきました。
これまで平常展と呼ばれていたものが、「総合文化展」としてリニューアル。いくつか配置も変更されています。特に館内サイン表示のリニューアルによって、初めて来る人にとっても分かりやすくなったのではないかと思います。漆工なら装飾技法、刀剣なら刃文の種類など、技法を説明するパネルが追加されており、学習の観点からも改善が図られていました。
さすがに特別公開と銘打っていただけあって、昔何度か行った時の平常展では考えられないくらい人が入っており、宣伝効果はあったように思います。阿修羅展があった2009年と違って、2010年はあまり人が入っていなかったらしいですから、良い傾向なのではないでしょうか。人が多かったので、ゆっくり見れないと言う難点はありましたが。


さて、公開作品ですが、東博のサイトで「これは特別展か?」などとアオリを入れてくるくらい、確かに豪華なラインナップでした。東博は撮影禁止表示がない作品はすべて撮影OKなので、いろいろ撮ってきましたよ。

国宝「秋冬山水図」雪舟

水墨画の巨匠雪舟の傑作。2階国宝室での展示です。太い輪郭線が存在感を放つ作品です。

国宝「舟橋蒔絵硯箱」本阿弥光悦

金粉を蒔いた地に、鉛で橋を渡しています。その形がとても特徴的で、ひきこまれるものがあります。

「松並木」横山大観

観山の「弱法師」の隣に展示されていた掛け軸。鬱蒼と茂る松並木の中に、小さな旅人を配することで、松の巨大さを際立たせています。大観らしいダイナミックな構図です。

重要文化財「弱法師」下村観山筆

謡曲「弱法師」に取材した作品。父を求めてさまよう盲目の俊徳丸が日の出を拝む場面を描いています。

国宝「檜図屏風」狩野永徳

狩野派を代表する永徳の最後の作品。檜の巨木が中央に配され、金地の濃い配色が、豪華さを際立たせています。

重要文化財風神雷神図屏風尾形光琳

建仁寺所蔵の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」を忠実に模写した作品。その再現度が半端ないことは素人目にも明らか。こうなってくるとMOA美術館の「紅白梅図屏風」が見たくなってきます。

ちなみに、この風神雷神図屏風が、最も人だかりができていた作品でした。混み方はこんな感じ。

さすがに、みんな風神雷神図屏風に群がるのはどうなのかな、と思いました。インパクトも人気もあるのは分かりますが、隣の若冲も見てあげようよ、と個人的には思いました。

「松梅群鶏図屏風」伊藤若冲

風神雷神図屏風の左側に置いてあった作品。風神雷神図屏風の人だかりの余波を食らって、かなり見づらい状態。

若冲の鶏に対するこだわりは半端ないものがあります。様々な姿を見せる鶏たち、点描で描かれた灯籠など、見所はたっぷり。魅惑の若冲ワールドを堪能できる良い作品です。

おまけ

風都警察署…ではなくて、法隆寺宝物館と凛子。残念ながら時間がなかったので見学はパスで、玄関だけです。

踊る人々と凛子。平成館の考古展示はいつもながらがら空きでした。さりげに銅鐸とか象嵌太刀といった国宝・重文がガンガン置いてあるんですがね。