JAM Project 10周年記念アルバム「MAXIMIZER」レビュー

MAXIMIZER~Decade of Evolution~

MAXIMIZER~Decade of Evolution~

JAM Project結成10周年ということで、「JAM FIRST PROCESS」以来となるオリジナル曲のみによるアルバムが発表されました。そこで、全曲をちょっとずつレビューしたいと思います(Twitterでつぶやいたものを再編集)。

MAXIMIZER
アルバムのリード曲ということで、サビは十分キャッチーなんだが、メロからのつなぎがちょっち期待はずれ、かも。「Crest of "Z's"」の疾走感あふれる、滑らかな盛り上がり方を経験しちゃったからかなあ。ただ、正直私のリード曲に対する期待値は相当高い位置にあったので、決して悪くはない。
Elements
絶叫は少なく、聞かせるタイプの曲。福山芳樹奥井雅美のサビの掛け合いがいいね。
SAMURAI SOULS
タイトルどおりいかめしい感じの曲。こういう曲は、影山さんの声がよく似合う。「侍魂ー!」って分かりやすく叫んでくれてるのがある意味おもしろかった。
Rebirth of Dream
JAMっぽいベタな感じがするが、安心して聴ける。Bメロのソロ・コーラスの掛け合いからの盛り上げ方はJAMならではか。
火の鳥
4thアルバムのタイトル曲「Olympia」以来の長編曲。こういう曲が聴けるのはアルバムならでは。プログレっぽい感じで、個人的には「Olympia」より聴きやすいと思う。
REAL BLACK HOLE ~Break through~
JAMには珍しい、打ち込み系の曲。時流に乗った、とも言えるのだが、JAM Projectが歌うと新鮮さを感じる。興味深い。
Shining Braze
バックコーラスで「あぁあぁあぁ〜」って音程を揺らしてるのが気になる曲。いたってまじめな曲なのだが(笑)
Nightmare
曲名に違わず、おどろおどろしい感じの曲。ただJAMの場合シャウトしちゃうから、曲に本来期待されるであろう「妖しさ」ってのは、どうしても軽減されてしまうな。
I LOVE YOU
おそらくJAM Project初の、シャウトのない(笑)全編静かなバラード。チャレンジ精神は買うが、ここまでやっちゃうと福山の曲って感じがしちゃうなあ。
DESTINY ~from USA~
重厚感の溢れるサウンドがよい感じ。サブタイトルの"from USA"は、何を意味してるのかよくわからない。アメリカでレコーディングでもしたんだろうか。
Always be with you
次がKI・ZU・NAのアレンジなので、事実上のエンド曲。柔らかな曲調で、エンディングとしてはよい締め方をしている。
KI・ZU・NA ~10th Anniv. ver.~
1stアルバムの曲を、ピアノ主体のアレンジに変更。さのため、一瞬別の曲に感じてしまう。ただ、だからといって曲が静かになるわけはなく、メンバーが思い思いに叫びまくる結果に。まあ10周年記念ということで許してあげましょうか(笑)

総評

今回のアルバムは、既発曲もタイアップも一曲もありませんでした。通常これらの曲があることで、ある程度アルバムの方向性が決まったりするのですが、そのような定められた方向性がない状態での曲作りは、彼らにとって大きな挑戦だったことでしょう。
そんな中でできあがった今回の「MAXIMIZER」。ひとつひとつの曲に対しては、若干の善し悪しはありますが、さまざまな趣向の曲があって、その中でメンバーが強烈な個性を発揮していました。そして、それこそJAM Projectだという風に主張しているように思えました。
今の彼らが作りたいもの、10年積み重ねた最大値を見せてくれたという意味で、好意的に評価したいと思います。