機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛

早速見てきました。初日なので人が多かったです。以下、ネタバレを含むため続きを読むに格納。

一番印象に残ったシーン

結論から言うと、ファが最強でした(笑) ラストのシーンで思わず失笑。そんながっつかんでもええやん。
二位はサエグサの実況ですかね。

ヘンケンとエマ

TV版だと、ヘンケンが死ぬときまでエマが気があるような描写はされていなかったのですが、今回はエマとヘンケンが明らかにデキてるような描かれ方をしてました。スプーンを加えながら話すヘンケンをたしなめたり、二人の会話のシーンで寄り添うような描写があったりなどなど。おかげで、ヘンケンの死を見たエマが放心状態になるというのが、流れとしてより自然になっていました。

ハマーン

今回一番活躍したキャラの一人であるハマーンは、中盤付近は彼女の独壇場でした。とにかく榊原良子の演技がすばらしかったです。かなり抑えた感じの演技がされていましたが、キャラデザの雰囲気とも相まって、TV版より冷徹さが増しています。カミーユとの交感でも、全く耳を貸さないように見えました。
人間味が薄れて、嫌な女度が上がったおかげで、ミネバを傀儡に使い、ジャミトフやシロッコら男どもを手玉に取るアクシズの摂政、有能な女政治家という側面が強調されています。また、シャアに対するときだけは、屈折した感情が表に出る、というのがよく表れていたと思います。
でも20歳にしては老成されすぎてやいないか、このハマーン。ΖΖのことは全然考えてないってのが分かります。

サラ・ザビアロフ

池脇千鶴じゃなかった。島村香織という人でした。二作連続で呼べるほど金がなかったか(笑)
結構演技は自然でした。前作より重要な台詞(カツへの台詞、カミーユの怨念アタックの時の台詞)が多いので、キャスト変更は正解だったと言えるでしょう。だったら最初から水谷優子にしとけや、って思ったんですけどね。

新たなラスト

ラストがハッピーエンドっていうのは前から聞いてたので、予想通りの結末だったのですが、あまり違和感はありませんでした。短い上映時間の中で一気に駆け抜けたという印象があるので、少しずつおかしくなっていくのを全部すっ飛ばせたのが良かったのでしょう。恩田尚之によるカミーユのキャラデザが結構まっすぐな感じだったのも影響していると思います。
ただ、エマを説得する時に宇宙空間でバイザーを開けてしまうシーンが使われていたのがちょっと腑に落ちません。このシーンはTV版ではカミーユが精神的におかしくなりつつあることを端的に示す描写だったのですが、今回あれだけ普通にシロッコを倒してしまうと、このシーンの奇妙さが逆に際だってしまう。単に熱くなっただけにしてはおかしすぎる行動なので、新しく作り直しても良かったのでは?と思います。

全体を通して

Ζガンダムの最大の欠点である、入り乱れた勢力による情勢の訳わからなさ・理解しにくさを、あえて整理しませんでした。だが、混沌とした状況を、ラストで解放してくれました。しかもTV版と違って、カミーユがおかしくならない。TV版はあんなに救いようがなかったのに、単純だがここが一つ違うだけで、見終わった後は結構爽快でした。
けど、やはり初見の人にはどういう流れなのか理解しづらいと思う。ちゃんと理解するには何度も見ないとダメでしょうね。