コードギアス 反逆のルルーシュR2 FINAL TURN「Re;」

非常にきれいな終わり方でした。きれいなんだけど、やはり哀しい結末だなあ。

総論

ゼロレクイエムを完成させるために、ルルーシュは悪逆皇帝として世界を手中にする必要があった。罰を求めていたスザクに対して、英雄ゼロとして生きるという罰を与え、自らはこの世の憎しみの一切を引き受けてゼロに殺される。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ」という1期1話の自身の言葉を、自ら実践し貫徹した所に「反逆のルルーシュ」の生き様をみた気がする。

世界は優しい世界に向かって行くだろうし、物語としてこれ以上なくすっきりしている。結果としてルルーシュの計画通りになったわけだが、ルルーシュの物語の最後が破滅とは…。少しやりきれない所もないではない。
ルルーシュにとっての唯一の救いは、ゼロが現れた瞬間、カレンや神楽耶、コーネリアなど、ルルーシュを知る主な人々が、彼の計画を知ったと言うことか。ナナリーが手を取った時に走馬燈が流れてきたのはよく分からないが、彼女にそういう能力があるとは思えないので、ローマイヤの嘘を見破ったときのような、心拍などから何となく真意をくみ取った、ということの象徴的描写なんだろう。

ナイトメア戦

最終回ということもあり、気合いの入った作画でした。スザクとカレンによる、紅蓮聖天八極式とランスロットアルビオンの頂上決戦。やはりナイトメア戦はフロートがない方が映えるよなあ。やはりロボットは殴り合ってなんぼですよ(笑)
1期より戦闘が余り面白くなかったのは、空中戦ばかりになってしまったからだろうと改めて思う。結果はカレンの辛勝だったが、カレンをルルーシュの元に行かせなかったという点では、スザクの勝ちでしょう。お互い全力でやってたようだから、
にしてもジノは結局カレンの輸送係で終わってしまいました。カレンとくっつくのかと思ったら、エピローグで出てくるわけでもなく空気化。ジノはその煽りをモロに食らってしまったキャラと言えるな。

オレンジ

オレンジことジェレミアは、1期はさんざんなキャラだったが、2期に入ってからはまさに忠義の騎士になってしまった。最終回では、ギアスキャンセラーをアーニャに使ったと思ったら、ネタが本当になってしまったようなオレンジ農家エンド。まさかアーニャとくっつくとは思わなかった。

演出

ナナリー役の名塚佳織の演技が秀逸。ダモクレスでのルルーシュとの直接対決、ギアスをかけられた状態、鍵を奪われた後の罵倒、さらにゼロにルルーシュが殺された時の絶叫。こんなにもめまぐるしい感情を演じきったのは見事と言うほかない。
あと、ナナリーの絶叫にゼロコールがかぶるというシーンはぐっと来ました。真相を知ったナナリーと、救世主ゼロに歓喜する群衆の対比が残酷かつ印象的。
演出で欲を言えば、ルルーシュの心理描写に大きく時間を割いた代償に、他のキャラクター(特に黒の騎士団近辺)の描写が若干薄くなってしまった感がある所か。最終回くらいは、ルルーシュの真意を知った人々の描写をしてくれると思ったが、エピローグとかほぼ1枚絵だったもんな。もう少し掘り下げてくれるとなお良かった。

結論

若干謎は残されてしまったので*1欲を言えばきりがないが、これだけの複雑なストーリー、悪の主人公を描ききった作品として、名作と呼んでいいと思う。

*1:C.C.の本名とか