2010年参議院選挙の件

今回の参議院選挙は、私の予想を上回る民主党の大敗になった。正直言って、50を少し超えるくらいまでは行くと思っていたが、まさか44議席しか取れないとは。
色々言いたいのだが、とりあえず思ったことを備忘録的に書いておく。


民主党敗北の最大の原因は、もちろん菅首相の消費税発言だろう。しかし、消費税増税に対する拒否感があったというわけではなく、むしろ発言の唐突さにあったと思う。前政権では「在任中の4年間は消費税を上げない」と言っていたくせに、首相が替わった途端に、マニフェストにも書いていない増税の話を持ち出した。これでは有権者が困惑するのも当然だろう。そんな中で、誰が与党を勝たせようと、ましてや民主党に衆参で単独過半数を取らせようなどと思うだろうか。国民に負担を求めるのならば、検討に検討を重ねた上で、発表すべきである。また、いくら説明してもしすぎるということはない。それを怠った民主党は、負けて当然だった。
で、結局自民党が50議席を超える大勝利となったわけだが、これは自民党が変われた結果の勝利ではないのは間違いない。地方のいわゆる1人区では、自民党が21勝8敗と圧勝であった。民主党でない候補を、と思ったときに、選択できるのが自民党しかいなかったという結果であろう。自民党はこの勝利が自らへの支持の結果だとは思わない方がよい。残念ながら、谷垣総裁はじめ執行部は、勘違いしているようだが……。
みんなの党の躍進は、民主党自民党も「ごめんだ」と思った有権者からの支持を受けた結果だろう。ただ選挙区では、3人区以上の都市部でしか議席を得られなかった。みんなの党はまだ実績がなく、完全に「期待」だけの躍進であるから、明確な支持層が物を言う、1人区や2人区では歯が立たなかったと言える。みんなの党の真価が問われるのは、これからだろう。


ともあれ、これで再び衆参で与野党議席比率が異なる「ねじれ」の状態が作り出される結果となった。しかも、今回は与党が衆議院で3分の2を持たない「完全ねじれ」の状態である。このままでは与党の法案はことごとく参議院で否決される。今までならば連立政権の組み替えが検討されるだろうが、野党はどこも今の民主党と組もうとは思うまい。ここは一つ、政策ごとに連携していくという、今までになかった新しい政治の形を見せてほしい。


ところで、今日たまたま一緒にお客様先へ訪問した会社の人々と、めずらしく政治の話題になった。聞いてみると、どうやら投票先は違っているようだったが、私とほぼ同じような感想を抱いていた。民主党への失望は、相当なものなのだなあ。